鍛造(たんぞう)の結婚指輪の盲点
いつもありがとうございます。地域No.1のブライダルリング専門店ラムールトゥジュールの船越です。
<鍛造製品は硬いが、それと引き換えにしていることがある>
さて、今日は鍛造(たんぞう)の結婚指輪のお話です。
外国製品によく見られますが、金属に圧力をかけて、金属の目を詰めて強度を強く作る『鍛造(たんぞう)』という製造方法で作られる結婚指輪というのがあります。
鍛造製品は、一般的に、硬いので、傷つきにくい、曲がりにくいという特徴があり、ユーザーにとっては大きなメリットになっています。
傷つかない、曲がらないではありませんが、少しでも、傷つきにくい、曲がりにくいというのは、ユーザーにとっては、とても良いことだと思うのですが、
ある意味それと引き換えにしている大きなポイントがあるんです。
<交換になると、指輪交換で使った指輪そのものではなくなる>
硬さと引き換えにしているものが決して小さくないのに、鍛造製品を販売しているお店も、作っているメーカーも、
どうもそこのところに触れない様にしているみたいに見えるので、今日はそこについて書いてみたいと思います。
前述した『ある意味、強度と引き換えにしている大きなポイント』というのは、
指輪のサイズを変える時には、自分の指輪をと新しい、必要なサイズの指輪との『交換』になるという事です(全てではありませんが多くの商品がそうです)
それがなぜ大きなポイントなのかを申しますと、結婚式をあげられる方は、結婚式の中で、結婚指輪の交換という儀式を行いますよね。
勘の良い方は、もうお気づきになられたかもしれませんが、
体形変化などにより、指輪のサイズを変えるのに指輪を新しいものと交換するタイプの場合、
新しい指輪と交換してしまったら、見た目は同じですが、結婚式の指輪交換の時に使った指輪『そのもの』ではなくなってしまうということなんです。
それ自体が悪いという事もありませんし、そんなことは、全く気にならないということであれば、何ら問題ないのですが、
気になる方が少なくない現実もあるので、もしも鍛造の指輪を選ぶ場合は、そのことはよく理解して頂いた上で、選ばれた方が良いと思うのです。
<交換時には、お金がかかる>
もうひとつ。
交換する際、自分の指輪を下取りしてもらっても、定価の20~30%くらいの費用が掛かることが多いんです。
つまり、都度、お金がかかるということであり、そこも大変気になるところです。
(3回くらい交換したら、合計金額は、もう一本買ったみたいな金額になりますから…)
サイズ交換のタイミングが、マイホームのローン返済や子育て真っ最中の時期ですと、
お金を使う優先順位として、指輪のサイズ交換を後回しにしてしまいがちであり、そうすると、サイズが合わない為に、指輪を着けないことにつながっていってしまう可能性もあるのです。(特に男性)
サイズを変える場合に、指輪を切ってサイズを変更するという方法にかかる費用と比べると、交換にかかる費用の方が大分高いので、その事もきちんと理解した上で選ぶ方が良いと思う訳です。
<付帯条件をしっかりと認識した上で選ばないと後悔する>
鍛造であろうとなかろうと、指輪が硬くて傷つきにくい、曲がりにくいというのは、ユーザーにとって、大きなメリットがあるのは確かです。
しかしながら、メリットだけを声高に説明して、その特徴と引き換えにしている部分の説明をきちんとしてないのは、まずいんじゃないかと思う訳です。
そもそも、良いとか悪いとかの話ではないので、
正直に、鍛造の指輪は、硬いので、傷つきにくい、曲がりにくいという特徴とメリットがあるのですが、
サイズを変える時は、新しいものと交換になるんです。また、交換する時は、これくらいのお金がかかるんです。
という事をちゃんと伝えるべきなんですが、
世の中には、受け止める人によってはネガティブに受け取られるかもしれないことを、きちんと説明しないお店やスタッフが少なくないんですよね。
本来、お店側がきちんと説明しなければならない事であり、お客様に注意を促すことではないと思うのですが、売る側がその部分をデメリットと考えていると、あえてそのことに触れないまま売ろうとしていたりするんです。
なので、鍛造の指輪を検討しているにもかかわらず、もしも、お店側からそういう説明がなかった場合は、
自衛のために、必ず自らお店に質問して『交換』なのか『交換じゃない』のか、交換に『お金がかかる』のか『かからないのか』を確認した上で決めるようにした方が良いと思います。
というお話でした。今日はここまで。
※1鍛造製品の中にもお直しできる商品も一部存在しますので、鍛造製品全てが交換という事ではありません。
※2費用の有料無料については、メーカーに因りますが、私の知っている範囲では、有料の場合が多いと思います。
※3鍛造製品やサイズ交換タイプの指輪が良くないという事ではありませんので誤解の無い様お願いします。