『今日決めてくれたらこうします』とお店で言われたら…

いつもありがとうございます。ブライダルリング専門店ラムールトゥジュールの船越です。



＜とても甘美で魅力的な言葉ですが…＞

さて、結婚式場のお話としてよく耳にすることがありますが、何軒かお店を周るとジュエリーショップでも同じ言葉をよく耳にすると思います。
 
例の『今日決めてくれたら･･･お値段こうしますよ（これだけ、お値引きします）。』と言うものです。 

お値引き･･･なんて甘美な響きでしょう？



とても魅力的な言葉です。
 
ですが、ここで、ひとつアドバイスさせて頂きたいと思います。

確かに『値引き』と言う言葉は、甘美で、魅力的な響きです。

ついついそそのかされてしまいそうではありますが、今日お伝えしたいのは、無理したり、焦ったり、慌てたりして、その日に決めなくても大丈夫ですよってことです。



＜断られることなどまずありません＞
 
どういうことかと言いますと、例えば、その日に決めずに一旦『検討します…』と持ち帰ったとします。

後日改めて、そのお店に出向き『先日ご提案頂いた価格で対応して頂けるならそれで決めたいのですが、ご対応頂けますか？』と聞いてみて下さい。
 
ほぼ間違いなく、対応してもらえます。

『申し訳ありません、あの提案はあの日だけのスペシャルなオファーだったので、今日はお受けできません』などと、断られることなどまずありません。

＜そのお店のスタイルとして、既に、織り込み済みの事だから＞
 
なぜでしょうか？ 

それは、まず一つとして、そういう提案をするお店は、そもそも『値引きするというスタイル』でやっているという事なんです。

値引きをする前提の価格が付いている場合もありますし、値引きをしても赤字にはならない値引き率になっている為、お店は値引き依頼を引き受ければ幾らかでも利益が得られます。

断ってしまえば利益０です。

値引きをするスタイルのお店なら、後日、依頼しても値引きに対応してもらえる事は、考えるまでもないですよね。 

そしてもうひとつ、それは、あなただけに対するスペシャルなオファーという訳ではなく、スタッフが誰に対しても提案できるいわゆる『定番の決め台詞』だという事です。

そのお店のスタイルとして、既に、織り込み済みなのです。
 
なので、その日だけ、あなただけ、限定のスペシャルオファーではなく、いつでも受けられるサービスと言えるものなので、ついつい、つられてしまいそうになると思いますが、

そんな甘美なセリフに乗ってしまわなくても大丈夫なのです。



＜今日だけの特別なオファーのように装うやり方には、正直共感できません＞

それどころか、そもそもそういう提案をしてくるお店なら、

『先日、今日決めれば〇〇％お値引きして頂けるとご提案頂いたんですが、もう少し何とかなりませんか？（もう少し値引きしてもらえませんか）』と、

さらなる値引きの上乗せを要求しても『わかりました。では、特別にもう少しご協力しましょう』などと、値引きの上乗せに対応してもらえる可能性があるくらいの話なんですよね。

なので、焦ってその日に決める必要なんてないってことです。

ですが、それ以前の問題として、私は、そういったセリフが出てくること自体が気になります。
 
どんな事業（商売）でも、一切値引き出来ない様な利益率の定価が付いている様なことはないと思うので、

お値引き自体は、ある意味、ご成約頂く為の企業努力の一つと言える部分でもあるのかなとは思うのですが、
 
今日だけの特別なオファーのように装うと言いますか、

早く決めさせようと追い込む様な言い方と言いますか、

そういったやり方には、私は正直共感できません。

＜ブライダル産業は、特別な分野だけに、やって良い事と駄目なことがある＞
 
結婚式場と同様に、結婚指輪も、お客様にとっては、大事な選択であり、決して安くはない、大事なお買物であることは、その仕事にかかわっている人間なら誰しも当然わかっていることだからです。

一見お客様の為の特別対応の様に見えますが、実態は、完全に、お客様を欺くようなやり方と言えます。 

こんな風に書いていると誤解されそうですが、私は、融通が利かないガチガチな堅物でもありません。(どちらかと言えばおどけたおじさんですから

ちなみに、セレクトショップの様な複数ブランドを扱っているお店の場合は、こういう事もあります。

ブランドとの取引は、そのお店と同じ商圏内の別なお店には卸さないことを前提に、値引きはせずに、定価で販売する事が取引条件になっている事が多いんです。

エリア制と言って、そのエリアの販売は、そのお店に任せるから、値引きなどせずに、ちゃんとやってねという様な事です。

ジュエリーという様な分野で、値引きと言う行為は、ブランドイメージを損なう行為と思われているからです。

なので、セレクトショップ系のお店で、値引きを提案されたら、ルール違反をしている可能性があるかもしれないですね。

それ以前に、結婚指輪の場合、値引きしてもらって購入するのは縁起の悪い買い方などとも言われていますので、そこも気になるところですね。。

値引きの提案が、あなたの為に特別な対応をしてくれていると受け止めるのは自由ですが、

一事が万事と言いますので信頼できるお店かどうかは怪しい感じがすると私は思います。

それと、値引きが許されているというか、値引きしてはいけないという取引条件になっていないブランドも中にはありますが、そういうブランドの商品は、ネットなどで激安に販売されていることも多々あり、

値引き額によっては、最安値と比べると大分高めに買ってしまっているなんてことになる可能性があるかもしれません。

なので、値引きの提案と言うのは、色々と問題がある感じがしますね

＜『今日決めてくれたら･･･』と言われたら、その時点でご縁がない＞

なお、この内容は、結婚指輪だけでなく、結婚式場も同じです。

但し、結婚式場の場合は、検討している間に、ご希望の日時が誰かに取られてしまうというリスクだけはありますのでそこだけは忘れないでください。

ですが、もしもそんな僅かな時間の間に、希望していた日時が埋まってしまったとしたら、それは、その日にご縁がなかったのか、その会場にご縁がなかったんじゃないでしょうか？

ご縁がないところに執着などせずに、他にもっとご縁がある日やご縁がある会場があなたを待っているんだぁと思って、仕切り直せば良いだけだと思います。

もしかすると、最初の希望日にやっていたら大雨になっていたところ、日にちを変更したお陰でピーカンの晴れの日に当たるかもしれないですし、

違う会場を見に行ったら、出会えて良かった～と思える凄く気の合うプランナーさんに出会えるかもしれませんしね。ブライダル…すべからくご縁だと思いますから。

そういう意味では『今日決めてくれたら･･･』と言われたら、その時点で、その会場やそのお店とは、ご縁がなかったってことなのかもしれないですね。

う～～～ん。哲学的、且つ、究極的な答えですね。おあとがよろしい様で…

という事で。今日はここまで。

千葉県成田市の結婚指輪と婚約指輪の専門店ラムールトゥジュールより愛を込めて。