品揃えについて思うこと

いつもありがとうございます。ブライダルリング専門店ラムールトゥジュールの船越です。

さて、今日は、これから結婚指輪を購入される方のお店選びに役に立つと思うので、プロとして、ブライダルリング専門店の品揃えについて思う事を書きたいと思います。

まず最初に思うのは、品揃えが少な過ぎるのは気になります。(これはブランド数の事を言っています。)

それは、何故かと言いますと、選び甲斐が無いんじゃないかと思うからです。

ブランドの直営のブティックの場合は、自社ブランドの商品しか扱わないスタイルをわざわざ選んでいるので仕方ないと思いますが、そうでないなら、品揃えが少な過ぎるのは、選び甲斐が無くて、楽しくないと思うんですよね。

皆さんあまりご存知ないかもしれませんが、ブランド毎に結構、趣(おもむき)が違うもんなんですよ。

オーソドックス、アンティーク、和風、プリンセス系、ヨーロピアン、ハワイアン、等々、結婚指輪と言う意味では同じでもデザインテイストが全然違うんですよね。オーソドックスの中でも何種類かあったりしますしね。

テイスト違いが色々あった方が見応えがあるんですよ。ケーキ屋さんに行って、スポンジタイプのケーキだけだったらちょっと残念じゃないですか?

例えば、ケーキのタイプもムース、ババロア、ゼリー、タルト、パイ、フルーツ系、チョコ系、クリーム系、様々な触感や舌ざわりがあった方が嬉しいし、形だって色合いだってカラフルな方が選ぶ楽しさがありますよね。それと同じです。

また、こんなこともあります。色々なタイプの商品があると、お客様の想像の範囲をはみ出している様なものがあったりもするんですね。そういうものは選ばれ難いかと思いきや、意外と一目惚れしてしまう様な事も少なくないんです。

品揃えが少ないと、どうしても平準的な(万人受けするような)品揃えになりがちで、個性の際立ったものが並ばなくなってしまう傾向があるので、意外なものに一目惚れする様な運命的な出会いが極端に減ると思います。

これもケーキ屋さんに例えると解かり易いんですが、5種類しかケーキの種類がないとすれば、苺のショートケーキ、モンブラン、チョコレートケーキ、レアチーズケーキ、シュークリームの様に定番ものばかりになってしまい、

フルーツをふんだんに使ったケーキとか、洋酒の利いたオシャレで大人なケーキとか、あまり見たこと無い様な珍しいデザインのケーキなどは、置いてないみたいなことです。

別な面としても、品揃えが少ないという事は、恐らく技術や知識といった情報も少ない(※)と思いますし、だからなのか、こだわりが強過ぎて偏った品揃えになっていたりする可能性も高いと思いますね。(※情報が少ない=頼りない)

だって、そのお店の価値観を反映しているのが品揃えと言えますからね。こだわりの強さも好感を持てる範囲を過ぎたら、その価値観を押し付けられそうで、買いにくいお店になりますよね。

ざっと考えてみても、デザインのタイプ違いでせめて5~6種類、価格帯違いで高中低の3種類、品質的違いで高中低の3種類、その他2~3種類、どんなに少なくても合計13~15くらいのブランドがないと少な過ぎると思います。

だから、専門店をうたうなら、品揃えが少な過ぎるのは、一番良くない気がしますね。

でも、多けりゃ良いってもんでも無くて、多過ぎるのも問題なんです。少な過ぎるより多少マシですが、少な過ぎるのとほぼ同じくらい問題があると思います。

だって、マーケティングのテストで品揃えが多過ぎると選び難くなってしまって、売上に影響出るってデータがもう取れているんですよ。

これは有名な話なので、知らないとすれば、勉強不足だし、知っていながらやっているなら、お客様が選び難くならない方が良いだろうという視点や配慮が抜けている様に思えますから、良いことではないと思いますね。

これもケーキ屋さんに例えると解かり易いと思いますが、ケーキがパンパンに並んだショーケースの長さがトータル20mあったら、見た目は凄い迫力だと思いますが、両端が同時に見られないですね。

迷う時は行ったり来たりになるし、それでは当然選び難いですよね。それと同じです。

それと、そもそも、多過ぎると、端から端まで商品を見せてくれない事が多いという実態があるんですよね。

うちみたいに貸し切りのお店でも無ければ、他のお客さんもいるので、そっちのお客さんが見ていると見れなかったりしますからね。

他店も見に行った事のあるお客様から良く聞きますよ。そこにあるのに、店側が出してくれるものしか見せてくれないって。それって、意外とストレスになるんですよね。

まぁ、一般的なお店は、2時間前後で買わせようとしていますので、全部なんて見せてくれないし、仮に全部見せてくれても、見たら見たで多過ぎると疲れてしまいますからね。どの道良くないってことです。

もうひとつあって、本当に価値や魅力のある『ブランドと呼んでいい』水準のブランドと言うのは、それほど多くは存在しないんですね。

だから、品揃えがやけに多かったりすると、大したことないブランド(どこかをパクったようなものだったり、コンセプトが後付けされた様な適当なものの様に価値や魅力に欠ける)も多数含まれてる気がしちゃいますね。

雰囲気だけの中身のない奴ですね。

なので、品揃えは、多過ぎず、少な過ぎずの適量が大事なんですよ。選び疲れしない量で、且つ、選び甲斐がある量ですね。そして、デザインのタイプ、価格帯、品質、その他等、バリエーションがバランス良く揃っているのが大事です。

量が適切でも、高額なブランドばかりだと選びづらいですよね。逆に、安いブランドばかりでもジュエリーを選ぶという醍醐味が無いと思いますし、安い物専門店と知られたお店で買う事になるのも嫌ですよね。

デザインだってオーソドックスなブランドばかりだと、数が多くても似た様なものばかりになってしまったりしますし、世の中には、多様な価値観に基づいた色々な商品が沢山あるのに、

一部しか知らないのは、もったいないだけでなく、こんなものもあったのか~買う前に知りたかったなぁと、後悔するかもしれませんよ。

だから、品揃えは、適量とバリーションのバランスの両方が大事なんです。

お店選びをする際に、取り扱いブランドを調べる人が多いと思いますが、そういう点を良く見ながらご検討下さいませ。

ちなみに、当店の品揃えは、聞いたことの無いブランド名ばかりかもしれませんが、一般の人があまりご存知ないだけで、日本のブライダルジュエリーブランドとしては、良いものばかりなんですよ。

ティファニーやカルティエだけがブランドではないし、私が良いと思ったものしか扱っていませんので変なものは一つもありません。ご参考まで。

今日はここまで。千葉県成田市より愛を込めて。