さくらゴールドとピンクゴールドは同じ色なの?

いつもありがとうございます。成田市のチャーミングなブライダルリング専門店ラムールトゥジュールの船越です。


<ピンクゴールドは、金と赤みのある金属(主に銅)を混ぜた合金>

さて、今回のタイトルになっている『さくらゴールドとピンクゴールドの色が同じか?』という疑問をお持ちの方は、結構多いのではないかと思いますので、その辺りにお答えしていきたいと思います。

その前に、基本的な事として、金属のお話をしましょう。

皆さん、ご存知の方が多いと思いますが、ピンクゴールドというのは、元々掘り出した時から赤みがかった金色の金属ではありません。

ピンクゴールドは、金(ゴールド)と赤みのある金属(一般的には銅)を混ぜた合金になります。

つまり、金に純度100%の純金があるのとは違って、純度100%のピンクゴールドというものは無いんです。繰り返しますが、金をベースとして他の金属(銅)を混ぜて作りだした合金だからです。

ジュエリーや結婚指輪に使われる金の合金というと、18金が多いのですが、この18金というのは、金の割合が75%になっている合金を指します。(純金を24金というので、18/24の分数をやって頂ければわかります)

金は、重量(=高級感)があり、錆びにくく、熱にも強いという安定性が高い金属なのですが、柔らかいという特徴があります。ゆえに、ジュエリーなどに使うとなると強度や耐久性の問題から、そのままでは少々使いにくい面があるんです。

その為、他の金属を混ぜて、強度を高めているのと、且つ、色合いも変えてそこにまた別な価値を生み出したりしているのが、この18金という合金になります。

混ぜている他の金属部分を割金(わりがね)と言い、割金が金以外の25%に当たるのですが、その割金に使う金属の中身(種類と配分)によって、ピンクゴールドになったり、ホワイトゴールドになったりするという事なんです。

赤い金属である銅を使えば、赤みが出てピンクゴールドになり、パラジウムや銀など銀色のものを混ぜて金色の黄色味を抑えればホワイトゴールドになる、といった具合です。

イエローゴールドの場合も、同じなのですが、イエローの場合は、積極的に色を変えていく方向の調合ではなく、元の金の色からあまり変わらない方向の調合なだけで、18金であれば、25%は、金以外のものが混ざっているのは同じです。

ここまでは、お解り頂けたでしょうか?



<ややこしくしている>

でもって、例えばピンクゴールドでも、割金に何種類の金属を何%ずつ使うのかがメーカーによって様々なんです。

なので、金属メーカーA社のピンクゴールドと金属メーカーB社のピンクゴールドは、呼び名は、同じ18金のピンクゴールドでも、割金の構成が違えば、色が同じという訳ではないんです。勿論、微妙な差ではありますが、強度も違ってきます。

ピンクゴールド(18金)の商品を一つずつ見て比べると色の差は解りにくいと思いますが、二つを並べて見ると、色の差は意外とよくわかります。こっちの方が赤いとか、黄色いとかですね…

画像のリングは、どちらも18金のピンクゴールド製なのですが、上のリングの方が黄色味が強いですよね。(画像ではちょっとわかりにくいかもしれませんが)

次に、ややこしいのは、指輪のメーカー(ブランド)が、金属メーカーから金属を仕入れる時ですが、金属メーカーのカタログ商品を仕入れる場合と、オーダーして専用のオリジナル配合で作ってもらう場合とがあるってことです。

金属メーカーには、カタログ商品、つまり通常商品として、色合いが微妙に異なるピンクゴールドが複数あったりしますので、カタログ商品のメニューから選んで仕入れている場合は、他の指輪メーカーと全く同じピンクゴールドを使っている場合がありえる訳なんです。

それを、そのままピンクゴールドという名前の金種として設定しているとも限らないのがまたややこしくしているんですよね。

ブランディングの方針や他社との差別化、おしゃれ感の演出などとして、ピンクゴールドではなく、サクラゴールドとか、ローズゴールドと言ったりしている指輪ブランドもあるってことです。赤みが強めだとレッドゴールドなんていうのもありますよ。

ですので、同じ金属メーカーの同じピンクゴールドを仕入れていても、X社はピンクゴールドと呼び、Y社はサクラゴールドと呼んでいる場合もありますので、そういう場合は、ピンクゴールドとサクラゴールドは、呼び名は違えど中身が同じなので、当然、色も同じという事になるという事です。



<どれとどれを対象に考えるかによっても答えが違う>

ですが、当店の取扱ブランドの中の『ミオリング』と『プアアリ』の様に、一つのブランドの中にピンクゴールドとさくらゴールドの両方が存在している場合は、また別な話になります。

全く同じ色であれば、両方存在させる意味がなくなってしまいますので、こういう場合は、どちらも赤みがかった金色にはなりますが、全く同じ色ではありません。

簡単に言ってしまうと、色は似ていますが、少し赤みが薄いか濃いかみたいな違いがある感じですね。

なぜ色が違うのかは、前述したとおり、金に混ぜている割金の中身の構成が違うからです。

でもって、これが面白いのですが、ミオリングの方は、ピンクゴールドより、さくらゴールドの方が赤みが少ない色合いなのですが、プアアリはその逆で、ピンクゴールドより、サクラゴールドの方が赤みが強いんですよね。

そうなんです。厳密な決まりがないので、もうちょっと赤みが薄く淡くても可愛いよね~とか、もうちょっと赤みが濃いのもよりピンク色っぽくて可愛いよね~みたいなことで、そのブランドの感性でピンクとさくらを両立させている感じだと思います。

という事で、ピンクゴールドとサクラゴールドの色は、可能性だけを言えば同じ場合もあり得ますが、両方を使っているブランドなら同じはずはないという事なんです。

どのピンクゴールドと、どのサクラゴールドを対象に考えるかによっても答えが違うという事ですね。それぞれたくさんの種類があるので…。



<世の中の比率としては…>

まぁただ、金属メーカーのカタログ商品のピンクゴールドを仕入れている指輪メーカーは、それほどこだわってなさそうなので、イメージだけの為にサクラゴールドと呼んでいるというケースはあまり多くないと思うんです。

逆に、ピンクゴールドと呼ばず、わざわざサクラゴールドと呼んでいるという指輪メーカーなら、それなりのこだわりを持って取り組んでいる可能性が高そうですので、

そういう場合は、金属メーカーのカタログ商品を使っている可能性よりも、オーダーして専用のオリジナルな調合をしてもらっている可能性の方が高いと思うんですよね。

だとすれば、サクラゴールドの様に、ピンクゴールド以外の呼び名の場合、専用のオリジナル配合の可能性が高いと思われるので、世の中の比率としては、ピンクゴールドとサクラゴールドの色は、同じでない事の方が多いかもしれませんね。

という事で、お解り頂けたでしょうか?参考にして頂ければ幸いです。

今日も明日も成田より愛を込めて。