K10とは?結婚指輪にして大丈夫?

いつもありがとうございます。ブライダルリング専門店ラムールトゥジュールの船越です。

最近、このブログでご紹介している商品に、「K10でも作れます」という選択肢がよく出てきます。

「K10って、よく聞くけど、結局なに?」
「安いのには、何か理由があるの?」
「結婚指輪にして、後悔しない?」

そう思われた方も、多いのではないでしょうか。今日は、K10について、メリットもデメリットも、隠さずにお話ししたいと思います。

K10とは、10金の事です。では、10金とは…

まず、K10の「K」から説明しますね。

「K」は、「カラット(Karat)」の略で、金の純度(どれくらい純粋な金か)を表す単位です。ダイヤモンドの大きさを表す「カラット(Carat)」とは、名前は似ていますが、別のものです。

でもって、純粋な金のことを「24金(K24)」と言います。

ここで、ピザを思い浮かべてみてください。24切れに切り分けたピザです。

  • K24(24金):24切れ、全部が金のピザ
  • K18(18金):24切れのうち、18切れが金。残りの6切れは別の金属
  • K10(10金):24切れのうち、10切れが金。残りの14切れは別の金属

数字にすると、K18は18/24ですから、金が約75%、K10は、19/24で、金が約41.7% 含まれたの金属という事です。

つまり、K10は、10金と呼びつつも、半分以上が金ではない金属でできています。

金以外の金属を混ぜるのは、なぜ?

「金が半分以下なんて、大丈夫なの?」と思う方もいらっしゃると思います。

でも、実は、ジュエリーに使われる金は、ほとんどの場合、他の金属を混ぜています。

理由は、純金(K24)は、とても柔らかいからです。指輪にすると、すぐに曲がったり、傷だらけになったりしてしまいます。

そこで、銀や銅などの金属を混ぜて、硬さを出したり、色を調整したりしているんです。この混ぜる金属のことを、「割金(わりがね)」と呼びます。

以前のブログで、18金は金が75%、残りの25%が割金、というお話をしました。K10は、一般的な金の合金としては、この割金の割合が、もっと多いということです。

K10のメリット。

①価格が手頃です。

金の価格は、金の量に比例します。金が少ないK10は、K18より、素材のコストが抑えられます。

たとえば、当店で扱っているブランドの例で見てみましょう。

・ディズニー「美女と野獣」Timeless Graceの結婚指輪(1本):K10は99,000円、K18は198,000円。
・マリプレ「ETERNAL」のレディース:K10は133,000円、K18は190,000円。

商品によって差は違いますが、同じデザインでも、K10を選ぶだけで、数万円から10万円ほど、安くなります。

今は、地金の高騰で、結婚指輪の価格が上がっています。だからこそ、予算を抑えたい方にとって、K10は、頼もしい選択肢だと思います。

②硬くて、傷がつきにくい傾向があります。

割金が多い分、K18に比べて、一般的に硬いと言われます。そのため、小さな傷がつきにくく、形も歪みにくいと言われています。

毎日着ける結婚指輪にとって、これは大事なポイントだと思います。

③色が優しく、肌に馴染みやすいです。

金が少ないK10は、K18より、金らしい濃い黄色味が控えめになります。淡くて、柔らかく、爽やかな印象になると言われています。

「ゴールドの指輪は、ギラギラしそうで苦手」という方には、選び易いかもしれません。

④同じデザインなら、軽くなります。

金は、とても重い金属です。金の割合が少ないK10は、同じデザインでも、K18より軽くなります。着け心地が軽やかなのは、毎日着けるうえで、うれしいポイントかもしれません。

K10のデメリット。

メリットだけをお話しするのは、フェアではありません。ここからは、知っておいていただきたい、デメリットです。

①変色しやすいです。

K10の最大の弱点は、変色しやすいことだと言われています。

金自体は、安定性が髙い金属なので、耐蝕や変色に強いのですが、割金に含まれる銀や銅は、汗や空気、水分と反応して、くすんだり、黒ずんだりしやすいんです。

10円玉が、時間が経つと茶色く黒ずんでくるのを、見たことはありませんか?あれは、10円玉が銅でできているからです。K10にも、銅や銀が多く入っており、K18よりその比率が多いので、同じような変化が起こることがあります。

逆に言えば、K18は金の割合が多いので、この変化が起きにくいという事ですね。

②金属アレルギーのリスクが、相対的に高くなります。

金そのものは、金属アレルギーを起こしにくい金属です。アレルギーの原因になるのは、多くの場合、割金に含まれる別の金属です。

K10は、割金の割合が半分以上を占めるので、アレルギーの原因になりうる金属に触れる可能性が、K18より高くなります。

ただし、これは「K10だから必ず起きる」ということではありません。心配な方は、皮膚科でパッチテストを受けて、自分が何に反応するのかを知っておくことをお勧めします。くわしくは、以前の「金属アレルギーが心配な方へ」というお話も、参考にしてみてください。

③金としての価値は、K18より低くなります。

金の割合が少ないので、将来、お金に換えようとした時の価格は、K18より低くなります。

ただ、結婚指輪は、いつか売るために買うものではありません。「資産として持っておく」ことを一番の目的にするなら、K10は向かないかもしれませんが、換金する予定はないものとして考えるなら、大きな問題ではないと思います。

④金らしい華やかさや、重みは、控えめです。

色が若干淡く、軽い、というのは、メリットでもありますが、裏を返せば、「金らしいゴージャスな濃い色や、ずっしりした感じが好き」という方には、物足りなく感じるかもしれません。

⑤サイズ直しの範囲は、ブランドによって違います。

硬い金属は、加工がしにくくなります。そのため、ブランドや商品によっては、サイズ直しができる範囲が限られていたり、できなかったりする場合があります。

これは、K10だから必ずそうなる、という話ではなく、ブランドごとの違いも大きいところです。購入する前に、サイズ直しがどこまでできるのか、必ず確認しておくと安心です。

「硬い」から、「絶対に傷つかない」わけではありません。

メリットの②で、K10は硬い傾向があるとお話ししました。

ただ、以前のブログでもお伝えしましたが、硬いことと、全く傷つかないことは、別の話です。どんな素材の指輪も、一切傷がつかないなんてものはありません。

また、硬さは、素材だけでなく、ブランドの製法や、指輪の太さ・細さによっても変わります。「K10だから、絶対に丈夫」と、思い込みすぎないようにしてくださいね。

K10に向いている方、他も検討した方が良い方。

K10が向いている方
・予算を抑えながら、ゴールドの指輪を選びたい方
・柔らかく、優しい色合い方が好きな方
・幾らかでも硬い方が良いという方
・軽やかな着け心地が好きな方

他の素材も検討した方が良い方
・金属アレルギーが心配な方
・金らしい、濃くて華やかな色が好きな方
・将来、資産としての価値も意識したい方
・汗をかきやすく、変色が気になりそうな方

K10を、長くきれいに使うために。

K10は、お手入れ次第で、美しさを長く保てます。

・汗や水分がついたら、柔らかい布で拭き取る
・外した後は、拭いてから保管する
・くすんできたら、早めにお手入れやクリーニングをする

特別なことではありません。こまめに拭いてあげるだけでも、かなり違います。

「安いから」という理由ではなく「性質を理解して素材を選ぼう」

ここまで読んでいただいて、お分かりの通り、K10には、メリットもデメリットもあります。

価格が手頃で、硬く、優しい色合い。一方で、変色しやすく、アレルギーには少し注意が必要で、金としての価値は控えめ。

どちらが良い、悪い、という話ではありません。違いを知った上で、おふたりの暮らしや好みに合うかどうかで選ぶことが、一番大事だと思います。

「予算を抑えたいから、K10にする」というのも、立派な理由ですが、デメリットも知った上で選んでいただければ、後悔は少なくなるはずです。

色味や質感は、ブランドによって、割金の配合が違うので、写真だけではわかりにくいところがあります。気になる方は、ぜひ、実際に見て、確かめてみてください。

最後に、見逃せない話をふたつ。

今回はK10の話だったので、含めませんでしたが、ハワイアンなどでは、K14というのもあります。K10よりは金の含有量が多くなります。ハワイアンの指輪でもブライダル用はK18を、ファッション用だと、14金を選ぶ人が多い感じです。

つまり、K14でもファッション用として選ばれる事が多いことからも、K10は、カジュアルな製品に使われることが多い金属という印象があるものです。それが駄目な訳ではなくて、それを解かった上で選ぶと後悔がないと思いますという話です。

もう一つは、ゴールド系の指輪をお求めの方には、金色を帯びた色味に理由があると思うので、そういう意味では意味のない話かもしれませんが、結婚指輪という意味では重要な事だと思うので、一応補足しておきますと、

指輪の価格を見ると、18金と10金の差はかなり大きいですが、よく見ると、10金の価格はプラチナと比べるとあまり差がないんですよね。

現在は、金属自体の価格がプラチナより金の方が高値になっていますが、本来、プラチナの方が高いものであるという事を考えれば、僅かな差額でプラチナ製が選べるなら、そこは、見逃すのはもったいないポイントかもしれませんよ。

ご参考まで。

千葉県成田市より愛を込めて。