私が「これが絶対一番」と言わない理由。

いつもありがとうございます。ブライダルリング専門店ラムールトゥジュールの船越です。

さて、今日は少し裏側の話をしたいと思います。

動画やブログで情報発信をしている人間として、最近よく耳にするアドバイスがあります。

「AIとの差別化を図るためには、明確な立ち位置をとって、振り切ったポジショントークをした方が良い」というものです。

具体的に言えば、「良いのはこれだけ。これが絶対一番だから、これにすべき」という断言スタイルのことです。

確かに、そういった発信はわかりやすいし、刺さりやすい。やろうと思えばできなくはありません。

でも、私にはどうしても疑問があるんですよね。

私はセレクトショップの経営者です。

当店は、複数のブランドの商品を扱うセレクトショップです。

セレクトショップの経営者が「これだけが絶対一番」と言い切ってしまったら、他のブランドの商品はどうなるんでしょう。それぞれのブランドに、それぞれの魅力があるから、当店に置いているわけです。

そもそも、価値観というのは人の数だけあるものだと思うんですよね。

ある人にとって最高の一本が、別の人には全く響かないことだってあります。

・シンプルなものが好きな人もいれば、個性的なデザインに惹かれる人もいる。
・デザインより価格が優先の人もいる。
・有名ブランドに価値を感じる人もいれば、知る人ぞ知るブランドに魅力を感じる人もいる。

誰にも共通して「これが絶対一番」なんて、本来、あるはずないんですよ。

セレクトショップの経営者に必要な能力とは何か。

私が思うに、セレクトショップの経営者に求められるのは、むしろ逆の能力じゃないかと思うんです。

それは、それぞれのブランドや商品に宿っている、一般の人には見つけにくい小さな魅力を見逃さずに、すくい上げて、言語化して、お伝え出来る能力です。

そして、珍しい価値観にも共感できる、感性の広さと器の大きさです。

お客様の相談相手として、「これが一番」と押しつけるより、「あなたにとっての一番はこれじゃないか」と一緒に探せる人間の方が、ずっと頼りになると思うんですよね。

時代の流れに逆らうことになるかもしれない。

「振り切ったポジショントーク」が有効とされる時代に、こういうスタンスをとることは、トレンドに反することかもしれません。

でも、私はセレクトショップの経営者として、これからもこのスタンスを貫きたいと思っています。

小さな魅力にも気づける目を持ち、珍しい価値観にも共感できる感性を持ち、お客様それぞれの「一番」を一緒に見つけていける人間でありたい。

だから「これが絶対一番」なんて言いません。でも、「あなたにとっての一番を、一緒に見つけましょう」は、自信を持って言えます。

当店は、こんなお店です。そして、私はこんな人間です。

ジュエリーやブランドについて良く解からない人にこそ、信用度も含め、頼りになる存在でありたいと思います。

千葉県成田市より愛を込めて。